自然エネルギー100%の電力でレーザー加工の制作をはじめました。

自然エネルギー100%の「ハチドリ電力」でレーザー加工の制作をはじめました。

2021年6月より、オンラインレーザー加工サービスAnymanyは、レーザー加工および作業室で使用するすべての電力を「ハチドリ電力」に切り替えました。

ハチドリ電力とは、世界13ヵ国で社会問題に取り組む株式会社ボーダレス・ジャパンが地球温暖化を解決するために始めた電力サービス。
CO2排出係数ゼロの自然エネルギー100%の電気供給を実現する電力会社です。

Anymanyがレーザー加工を行なっているのは、福岡県福岡市にある「ファブラボ博多」の事務所ですが、その部屋の電力の契約先をまるっと移行しました。

自然エネルギー100%の「ハチドリ電力」でレーザー加工の制作をはじめました。
↑契約して希望するとかわいいロゴステッカーが送られてくるので、分電盤に貼ってみました。

今まで何気なく使っていた電力の事情がどうなっているか、これを機に少し勉強しましたので簡単にご紹介いたします。

2021年現在、私たちは電力の供給会社を自分で選択することができる

昔(1995年以前)は、地域ごとに一つの電力会社が独占し、「発電」「送配電」「小売」全てを一つの電力会社が担っていたため、市民は「どの発電方法でつくられた電力を使うか」を全く選ぶことができませんでした。

1995年、電気事業のうちまずは「発電」が自由化され、「独立系発電事業者」の新規参入が可能になりました。
(おそらく、太陽光や風力などの自然エネルギーが広まりだしたのもこの頃。これらの独立系発電事業者は、地域の大手電力会社に電力を「販売する」ことで成り立っていたと思われます。)

その後の法改正で、電気事業のうち「小売」が一部(大規模需要家、中規模需要家への電気供給のみ)自由化され、「新電力」と呼ばれる新しい電気事業者が参入できるようになりました。
そして2016年4月、ついに一般家庭などの小規模需要家への電気供給も自由化になり、電気の「小売」が完全自由化されました。
それぞれの地域における電力会社の独占が解放され、自由な市場競争が導入されたのです。

自然エネルギー100%の「ハチドリ電力」でレーザー加工の制作をはじめました。
出展:みるみるわかるenergy

ハチドリ電力は、上の表では「新電力」と呼ばれる小売業にあたり、小売の完全自由化のあと、2020年4月に新規参入した電力会社です。
自然エネルギーを扱う独立系発電事業者の電力のみを選んで供給してくれるのが特徴で、私たちのような小規模事業や一般家庭でも契約をすることができます。
さらに電気代の1%を社会貢献活動に寄付することができ、その支援先も自分で選択できます。

ただ、「送配電網」はこれまで通り、地域の電力会社のものを使うことになります。(新規電力会社の参入のたびに、電線や電柱を新規に設置する、なんてことはできないですからね…。)
なので、共通の送配電網を通った電力は実質にはMIXされていて、完全に100%自然エネルギーを使っているとは言い切れないそうです。
それでも、自然エネルギーを扱う発電事業者を「選ぶ」というアクションをし続けることによって、自然エネルギーのシェア拡大につながり、未来のエネルギー比率を変えることができるかもしれません。

電力の完全自由化から5年もたっているにも関わらず、昔のように盲目に、当然のように地域の電力会社を使っていたことを反省。
新電力は単純に「電気料金の安さ」を謳っているところも多いですが、「発電方法」で選ぶという選択肢もあります。
Anymanyも今後のために、よりSDGsを意識したものづくりをしたいと考えたとき、私たちなりに調べた結果、数ある新電力会社の中から最も活動と理念に共感できるハチドリ電力を選択してみました。

Anymanyのサービスも、ソーシャルグッドな活動を目指しています

金型を必要としないデジタルデータでの制作は小ロットでも高品質・低コストが実現可能なため、Anymanyは法人から個人まで幅広い層のお客様に支持されています。
多くの既製品は、他国で大量に生産したものを化石燃料で輸送し、たくさんのエネルギーを消費して手元に届いているのが現状です。
そんな「大量生産・大量消費をベースとしていた社会」から、今後は「必要な分だけ生産して、必要な人が消費する社会」を実現したいと私たちは考えています。

自然エネルギー100%の「ハチドリ電力」でレーザー加工の制作をはじめました。

ただ、制作にかかる消費電力のことを考えたとき、製造業としてはさらに見直す必要があるのかなと思いました。
日本の電気のうち「企業」が消費しているのは約70%、そのうちの約80%は「製造業」が占めているそうです。
Anymanyも小さいとはいえ「製造業」のひとつ。レーザーカッターも少なくはない電力を消費し、注文の多い時はフル稼働しています。

日本の電気は火力発電がメインなため、CO2排出の最大要因(全体の約40%)は「発電」なのだそうです。
つまり、製造業が自然エネルギーに切り替えれば、地球温暖化に大きなインパクトを与えるはず。
電力会社の切り替えは、小さくてもまずは私たちから変わってみよう、というささやかなアクションでした。

Anymanyにレーザー加工を依頼されるお客様は、「この制作には自然エネルギーが使われているんだ」と、私たちの小さなアクションに少しでも思いを馳せていただければ幸いです。
そしてこの記事が、何気なく使っている電力のことを少しでも考えるきっかけになれば嬉しいです。