以前、マスキングテープで合板のレーザー加工汚れを防ぐというTips記事をアップしました。
ベニヤ合板やMDFなど、材料に樹脂が含まれる木材を加工する時に表面についてしまうヤニ汚れを防ぐ方法です。
しかし、実はレーザー加工中についてしまう汚れの一番の悩みは「裏面の汚れ」。材料を置くハニカムテーブルに跳ね返ったレーザー光線が、材料の裏面を焦がしててしまうのです。
この汚れを防ぐために、裏面にもマスキングテープを貼るという方法もありますが、オンラインレーザー加工サービスAnymanyではもっとカンタンな方法で裏面の汚れを回避しています。コストもほぼ0円でできるオススメの方法を紹介します!
治具を使って、材料をハニカムテーブルから浮かすだけ
ハニカムテーブルにぴたっとくっついた状態で加工することで跳ね返り汚れがついてしまうので、それを解決するには材料を「浮かす」ことが大切。
Anymanyでは、加工する時、MDFをカットして重ねて貼り付けるだけのカンタン手作り治具を使い、材料を浮かせています。
細長くカットした、幅の違うMDF材(2.5mm厚)を重ねただけ。
この「段差」の部分に、材料の端を乗せていきます。線で支え、かつ材料を支える面積が最小限になるので、失敗も少ないです。
↑加工後は、この動画のように、カットした部分がコトンと落ちます。
これだけで、裏面に汚れが全くつかなくなります。
治具を使う場合は加工の順番に注意!
カットされた部分がコトンと抜け落ちてしまうので、必ず「カット」より「彫刻」の方が先に加工されるようにパラメーターを設定しています。
また、大きいカット線の中に細かいカット線がある場合、先に「細かいカット線」を加工してから「大きい枠のカット線」が加工されるよう、線の色を分けて順番を設定します。
Trotec のソフトウェア「JobControl」の場合、上の列から順番に加工されるので、例えば先に加工してほしい「彫刻」を「黒」、次に加工してほしい「細かいカット線」を「赤」最後に加工してほしい「大きい枠のカット線」は「青」で作画し、その通りにパラメーターを設定します。
制作物同士が近すぎると先に抜け落ちたものにレーザーが当たり焦げてしまうことがあるので、抜け落ちる制作物同士の間隔は充分に空けるようにしてください。
治具は2種類作っておくと便利
大きい面積の材料や端材を使って加工する場合、うまく端に乗せられない場合があります。その時のために、治具は「端に引っ掛ける用」と「下で支える用」の2種類の形状を作っておきます。
低い方の治具は、加工しない面を下から大きく支えるのに使います。
材料がしっかり水平になるよう、その都度置き場所を工夫して調整します。
この方法だと、端材などで作ることができるので効率的ですし、自分の使い勝手の良いようにアレンジして作ることも可能です。
レーザー加工機をお持ちの方であれば今すぐ作れてしまうカンタンな治具ですので、ぜひ試してみてください!
*紙などの薄い材料には治具は使えないので、その場合は「不燃紙ハニカム」という商品を使ってみるのも良いかもしれません。